ウィーラマントリー氏 横顔

96年、国際司法裁判所が「核兵器による威嚇や使用は、極限的な自衛状況以外は、一般的に国際法違反である」などの勧告的意見を国連に対して出した

ウィーラマントリー氏自身は、核兵器は『一般的に』ではなく『常に』違法との見解をもって主張をしている。
1926年
スリランカに生まれる
1967年〜
スリランカ最高裁判所判事
1972年〜
オーストラリアにて大学教授
1991年〜2000年
国際司法裁判所判事
2003年〜
国際反核法律家協会会長
著書・20冊を越えている。

左から
村上啓子
笹森 しげ子
ウィーラマントリー氏
 


ウィーラマントリー氏との出会い

 NPT再検討会議の会期中の05年5月4日の国連ビルは、全館がどよめいていた。その昼下がり、私たち「世界平和ミッション」の面々はウイーラマントリー氏に会うために地下のレストランで待っていた。やがて、小柄な彼が大勢の人を掻き分けながら近付いて来られた。スリランカ人特有の彫りの深い端正な顔立ちは、広島の反核集会でお見かけして以来なので、懐かしさがこみ上げてくる。

 中国新聞の岡田記者が「1996年、原爆使用は不法だと判決を下して頂いたことに感謝します」と、挨拶して、矢継ぎ早に過去・現在・未来の核事情について質問をした。

 話しの切れ目に彼は掌サイズの冊子を下さった。そして「古来から、人を殺すのは禁止されています。それは絶対的なルールです。未来を駄目にする核兵器は核保有国にもダメージを及ぼします。この冊子に、私の主張することが述べてありますから読んでください。ああ、そうだ。誰か日本語に訳して広めて貰えないだろうか。どうぞ、日本の人々に伝えてください」と言われた。

 とっさに「私が属しているヒロシマ・スピークス・アウトがやります」と、私は手を挙げた。次の瞬間、彼の満足そうな笑顔が目の前にあった。

 私たちに許された時間は瞬く間に過ぎ去ろうとしていた。他のアポイントがあるからと、立ち上がろうとしているウイーラマントリー氏に「翻訳したら、ヒロシマ・スピークス・アウトのホームページに日本語は勿論ですが、英語も掲載していいですか」と訊ねた。「ああ、いいよ」と、彼は気さくに返事をされた。在ロスの被爆者・笹森しげ子さんが「ご一緒に写真を」とお願いすると、肩を寄せてカメラに向かって下さった。そして「早く、早く」と急かす秘書の指差す方に向かって小走りに去って行かれた。

村上 啓子