2007年05月22日

戦争は最大の環境破壊

堀江 壮 (寄稿)

私は4歳10ケ月の時、広島市の西区己斐小学校の近くで被爆した。
2003.7.8.の朝日新聞朝刊によれば、己斐小学校の校庭では当時数千人の人たちが真夏の暑さの中、約1ケ月の間にわたり荼毘にふされたとのこと。私はあの時のすさまじい異臭をけっして忘れることが出来ない。

もっと悲惨な被爆体験をもつ多くの方がおられたので、私は被爆体験を話すことはしなかったが、己斐小の古いロッカーから私のも含めて当時の5・6年生の書いた原爆についての作文が見つかり、2002年8月6日己斐小のピースメモリアルセレモニーに招かれてから私は平和運動を始めた。

振り返ってみると戦後独立以来、広島・長崎はもちろん日本国中で様々な平和運動がおこなわれ、私自身もデモ行進・署名運動・毎年8月6日平和公園で「世界の命=広島の心」の合唱、原爆ドーム前でのアピール等様々な運動に関わってきたが残念ながら効果はなんらあがっていない。長年にわたり世界中からたくさんの政治家・一般市民が広島長崎を訪れその悲惨さは認識しているはずなのに、むしろ最近の世界・日本の動きは以前よりキナ臭くなっている。

原因は世界中で戦争で利益を得ている人があまりにも多すぎることだと思う。もちろん原爆の悲惨さを語り継ぐことは大切なことだが、原爆の悲惨さを訴えたら
・日本は米国の核に傘にはいっているではないか。それなのに反核運動とは?
・貴方の国は私の国をだまし討ちにしたではないか?原爆により100万人の米兵の命が救われた。
・貴方の国の軍隊も中国その他でひどいことをしたではないか?
・不幸にも罪の無い人々が犠牲になったがそれは当時の日本の指導者が悪いせいだ。
こんな反応があったら、どう答えられるだろうか。悲惨さだけを訴えても議論はかみあわない。

私は原爆の悲惨さをアピールする以外に核実験を含めて戦争がいかに環境を破壊しているか、資源を浪費しているかをもっと世界に伝えるべきだと思う。戦争に勝っても負けても、環境の悪化の影響は同じように受けるし、浪費して資源が少なくなればますます国家間の争いは大きくなるだろう。
・世界の環境破壊の原因の30%は戦争に起因する。核汚染の影響は計り知れない。
・米国の最新ジェット戦闘機F22の値段 151億円
・米国は5%の人口で26%の石油を消費しその最大の使用者は米軍
・湾岸戦争では1日1200億円の戦費は使われ、640ケ所の油田が6ケ月にわたり燃やされ立ち上がる黒煙は周辺諸国から太陽を奪い、例年より気温が10度低下した。
・平成16年度広島市の年間予算は5321億円、イージス巡洋艦1隻の値段は1357億円
気をつけていればいくらでも、いかに戦争が人類にとって無駄なことか情報が目につく。

原爆の悲惨さを語り継ぐことは伝言ゲームではないが、その悲惨な実態は経験した者しかわからないし、もう30年すれば被爆体験を話す人はいなくなる。は2人の息子にやられたらやり返せといって育てたが、子供の喧嘩ならまだしも、地球規模で現在のように、やられたらやり返す、やられる前にやることをしていたらどうなるのだろうか。

私はこれからも機会が与えられればいつでもどこでも私自身の被爆体験と破壊力以外の核兵器と通常兵器の違いとまじえて「戦争は最大の環境破壊、限りある資源の無駄づかい」というテーマでお話させていただきたいと思う。